禅とおもてなし

 

ZENを「シンプル」「ミニマム」ととらえていませんか?

実はそうではありません。

岡倉天心は、『茶の本』のなかで、禅を「不完全さ」「小さいものの偉大さ」という理念で説明しています。

 

もし、ZENが単にシンプルという意味だとしたら、おもてなしの心とはあまり関係のないものになってしまいます。

 

不完全、欠けがあるとは、「十分ではないかもしれない、豪華にはできないけれど、精一杯心を尽くしてお迎えします」という想いにつながります。

 

「小さいものの偉大さ」とは、野の花を摘んで活けることや、掌の中の茶碗を愛でることと関連しています。

宇宙が小さきものの中に宿るという思想。野の花も、お茶も、また銘々皿にのせられたお菓子も、すべて大自然(宇宙)が形を変えた姿。

 

主客がともに自然への感謝の心を持ち、さらにお互いへの尊敬を持ってお茶や食事をいただくことで、深い心の交流が起こります。

日本のおもてなしには、ZENの思想が色濃く反映されているのです。